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風力発電を拡大する福島県、大型風車144基に追加で公募

   

福島県では復興に向けた産業振興策の柱に再生可能エネルギーを据えている。国と県が連携して各種の大型プロジェクトを推進中で、その1つに阿武隈(あぶくま)エリアを対象にした風力発電の拡大計画がある。南北に山地が連なる一帯は風況に恵まれて、年間の平均風速が6.5メートル/秒を超える場所が数多く分布している。

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 現在は2カ所で大規模な風力発電所が稼働中だが、新たに福島県が公募を通じて発電事業者を増やす。対象の区域は南北45キロメートル、東西12キロメートルに及ぶ広い範囲だ。合計で12の市町村にまたがっている。

 発電能力が1万kW(キロワット)以上の風力発電所を建設する場合には事前に環境影響評価の手続きを実施しなければならない。福島県は4段階に及ぶ手続きの第1段階を2016年3月に実施済みで、公募で選ばれた発電事業者は手続きを引き継いで期間を短縮できるメリットがある。これまでに3社が仮事業者に選ばれているが、引き続き事業者を増やして導入量を拡大する方針だ。

 公募は3月31日まで実施して、4月下旬に事業者を決定する。応募の条件は発電能力を6000kW以上で計画することだ。すでに仮事業者に決まっている3社の発電計画はいずれも6000kWを大きく上回るが、それと比べて小規模の発電計画でも受け付けて事業者数を増やす狙いがある。

 阿武隈エリアの風力発電プロジェクトは、福島第一原子力発電所の事故から復興する姿を世界にアピールする「イノベーション・コースト構想」の1つに組み込まれている。この構想では風力・小水力・バイオマス発電に加えて、高効率の石炭火力発電やCO2(二酸化炭素)フリー水素の製造・貯蔵・利用を含む最先端のエネルギー事業を展開していく。

送電線の増強計画を国が推進

 阿武隈エリアの風力発電プロジェクトが計画どおりに進めば、日本で有数の再生可能エネルギーの拠点になる。運転中の2カ所の風力発電所では、発電能力2000kWの大型風車が合計で37基を数える。さらに仮事業者に決まっている3社の計画が144基にのぼる。新規で公募する事業者を加えれば、200基を超える規模に拡大することは確実だ。

 政府は福島県内の再生可能エネルギーを最大限に拡大する「福島新エネ社会構想」を2016年9月に策定した。その中で阿武隈エリアと太平洋沿岸部の双葉エリアで風力発電を拡大させるために、送電線の増強計画を盛り込んだ。2017年度に100億円の予算を投入して、送電線の整備に向けた調査を開始する方針だ。

 東北地方では青森県と秋田県を中心に風力発電の導入量が拡大して、送電線の容量不足や電力の需給バランスの問題が浮上している。今後も風力発電の導入を増やすためには、送電線の増強と需給調整システムの整備が欠かせない。福島新エネ社会構想を通じて、東京オリンピック・パラリンピックを開催する2020年をめどに計画を進めていく。

 復興を推進する福島県では2040年に再生可能エネルギーの自給率を100%以上に高める目標を掲げている。2011年度に21.9%だった自給率を2018年度に30%へ、2020年度に40%まで引き上げることが当面の目標だ。

 震災後の2013年度から「再生可能エネルギー先駆けの地アクションプラン」を開始して、太陽光発電を中心に導入量を増やしてきた。2016~2018年度の第2期では太陽光発電と合わせて風力発電を大幅に伸ばす。阿武隈エリアで計画中の大規模な風力発電所が運転を開始するのは2020年代に入ってからだが、自給率100%を達成する2040年に向けて長期的に風力発電を拡大できる体制を整える。

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